ネットワークエンジニアとは?働くイメージがわかります!|10年目のプロが解説
- ネットワークエンジニアって具体的にどんな事をしてるかわからない。
- 働く環境や年収はどのくらいなんだろう。
- ネットワークエンジニアに興味があるけれど、自分が働いた時の未来がイメージできない。
ネットワークエンジニア(NE)はメジャーな職種ではなく情報も少ないため、実際に働いてる人から話を聞かないと、働く環境や仕事内容を具体的にイメージしにくいです。
NEを目指すのであれば、自分がNEになった時のことをイメージできないと不安ですよね。
本記事では10年間NEとして働いてきた僕の経験をもとに、NEとはどんな職業なのかを具体的に解説していきます!
- 仕事内容と働き方
- 年収はどのくらい?
- 魅力と将来性
- 大変なこと
- もやっとしていたネットワークエンジニアへのイメージが、本記事を読む事で明確になります!
- 具体的なイメージを掴むことで、安心してNEを目指していけます!
■結論
ネットワークエンジニアはおすすめの職業です。
安心してNEを目指してください。
お待ちしています。
さっそくNEを目指して動き出したい人は転職エージェントを使って自分に合った企業を探してみてください!
ネットワークエンジニアはITネットワークを作る・保つ仕事をする
ITネットワークは僕たちの生活に欠かせない非常に大切な基盤(インフラ)です。
ネットワークエンジニア(NE)は、ITネットワークを作って保つ(維持する)という大切な役割を担っています。
- 作る
- 保つ
⇨ITネットワークに求められる機能や性能を決め、設計して構築(作ること)します。
⇨ITネットワークは作って終わりではありません。世の中の人がいつでも快適に通信できるように保つ(維持保守と言います)仕事もしています。
うーん、そもそもITネットワークがインフラというのが良くわかりません。インフラと言えばガスや電気のイメージです。
ITネットワークが無ければITシステムを利用できない
みなさんは無意識にITシステムを毎日使っています。例えば、以下のような事をしていませんか。
- Amazonでお買いもの
- インターネットバンクの利用
- SNS(Instagram,Twitterなど)の利用
- ネットサーフィン
- 食べログなどでお店探し
上にあげたものは全てITシステムを利用していることになります。また、みなさんの生活には欠かせないですよね。
そのため現在ではITも社会インフラ(僕たちの生活を支える基盤)と言われるようになりました。
そして、ITシステムを利用する時にはほぼ確実にITネットワークも利用しています。
そして、NEはITネットワークを作り安定したサービスを提供できるように保っているのです。
大きく5つの仕事をする
NEの仕事はITネットワークを作る・保つことですが、もう少し仕事内容を細かくすると5つの仕事に分ける事ができます。
ここではNEの5つの仕事について概要を解説していきます。
- 要件定義と見積
- 設計
- 構築とテスト
- 本番導入
- 維持保守
要件定義はお客さんの実現したいことを引き出して決めること、見積はお客さんの実現したいこと(要件)を形にするために掛かる費用を出すことです。
この仕事はNEの仕事の中で最も上流(最初にやる工程)にあります。
要件定義と見積はたくさんの経験を積むことで初めてこなせるようになる仕事です。
上流工程の仕事のため、下流工程の実務経験が無ければこなせない。
設計は要件定義で決まった要件を満たすITネットワークを設計します。
設計はNEの仕事の中心となります。良い設計ができていないと、後ろの工程である構築やテストで思い切り苦しむことになります・・・。
設計の仕事もいきなりはできません。基本的なネットワーク知識はもちろん、さらに下流の工程を経験していないと難しいです。
NEのメイン業務が設計です。ネットワークに関する知識を持っていないと良い設計はできません。
構築は設計した内容に従い、機器に設定を入れることです。また、テストは構築した機器が想定通りの動きをするかどうか確認を行う工程です。
きちんと設計されていれば構築はそれほど難しい工程ではありません。実際にNW機器にたくさん触れるのもこの工程の特徴で、NEらしい仕事ができます。
ところが、多くの場合にこの後のテスト工程で想定外のできごとに出会うことになります・・・・。
テストでうまくいかなかった場合には、その部分を設計し直して再テストをします。
NEに成り立ての頃から、構築やテストの工程には参加する事になります。ここはNEとしての基礎スキルをしっかり学んでいく工程とも言えます。
最もNEらしい仕事が構築・テスト。実際の機器に設定を入れてITネットワークを作っていきます。
本番導入は構築してテストを終えたITネットワークをいよいよ世の中に公開する工程です。
本番導入をすることで、一生懸命作ってきたITネットワークを色々な人たちに使ってもらえるようになるのです。
NEの仕事の中ではとても緊張感があり、集大成と言える工程ですね。
本番導入はITネットワークを世の中に公開する集大成の仕事
維持保守は、本番導入したITネットワークが安定して使ってもらえるように「保つ」工程です。
ITネットワークは作ったら終わりではなく、ユーザーが安定して利用できるように見守らなくてはいけません。
これ本当によくある質問なのですが、結論としては24時間365日の見守り業務はNEの仕事ではありません。
上記したような仕事は「運用」と呼ばれるもので、運用オペレーターという職種の方達が交代でシステムやネットワークが正常に動いてる事を見守ってくれています。
NEが担当する維持保守という仕事は、ITネットワークに問題が発生した場合に対応する仕事です。
極端な話ですが、問題なくITネットワークが動き続けていれば「維持保守」の仕事は発生しません。
もっと具体的に5つの仕事を知りたい方は
よりしっかりとNEの仕事内容を知りたい方はチェックしてみてください!
具体的な案件については以下の記事でまとめています。
他のITエンジニアとの違いはインフラ専門のエンジニアということ
ITエンジニアは大きく開発系とインフラに分類でき、NEはインフラエンジニアに分類されています。
開発系エンジニアはプログラムを組んでアプリケーションを開発しています。
一方で、インフラエンジニアはアプリケーションを動かす基盤部分の設計や構築を行っています。
NEはインフラエンジニアの中でも、特にネットワークに特化したエンジニアです。
ネットワークエンジニアが働く会社は通信キャリア意外にも多くある
NEが働く会社はNTTやKDDIなどのインターネット回線を提供する会社(通信キャリア)をイメージすると思いますが、他にもNEが働く会社はたくさんあります!
勤務する企業によって案件や現場の雰囲気は大きく違う
NEが働く企業はたくさんありますが、企業の事業内容によって現場の雰囲気や関わる案件は大きく異なります。
- 通信キャリア
- SIer
- SES
- 社内SE
- NW機器メーカー
回線事業者とも呼ばれており、回線網や通信設備・施設、無線局免許などを保有し、加入者に回線を貸与して通話やデータ通信などの通信サービスを提供しています。
まさにITインフラのイメージにぴったりくる企業ですね。
NTT東日本やKDDIなどが通信キャリアに該当します。
インターネット基盤そのものに興味がある人、まさにITインフラな部分に関わりたい人におすすめです。
システムインテグレーターの略称で、ITシステム開発を行う企業です。お客さんが作りたいITシステムの要件定義から、設計・保守までを請け負います。
ネットワークに関する仕事だけでなく、サーバーやクラウド関連の仕事に関わるチャンスも多くあります。
ネットワークに限らず、ITシステム開発全般に関わっていきたい人におすすめです。
SIerと似ていますが、SESは簡単に言うとエンジニア派遣をする企業です。
NEを含めたインフラエンジニアが中心に在籍する企業もありますが、プログラマーやプロジェクトマネージャー、システムエンジニアなど様々なエンジニアが在籍してる企業が多いです。
様々な現場や案件に関わりながらスキルを伸ばしたい人におすすめ。未経験の人も入りやすいです。
IT関連の会社ではなくても、社内ではITを使っています。そんな社内IT部門に所属するのが社内SEです。
このようなところでNEとして働くという選択肢もありますね。
社内ITネットワークの維持保守や新規拠点追加に伴うネットワークの拡張などをしていくイメージです。
お客さんに対してではなく、社内の人の利便性向上のために働きたい人におすすめです。
ITネットワークを構成する機器を製造・提供している企業がNW機器メーカーです。外資系も含めて色々なメーカーがあり、それなりに選択肢があります。
特徴としては自社の機器に特化したスペシャリストになっていくという点ですね。
当たり前ではありますが、自社製品を売っていく必要があるためです。
範囲を狭くして突き詰めたいというタイプの人におすすめです。技術営業へのルートがある場合が多く、コミュニケーション能力を活かしたいという人にも良いかもしれません。
NEとして働ける会社は数多くあります。
選択肢も十分ありますので、これからNEを目指してみようと思っている方は自分に合った企業選びの参考にしてみてください。
ネットワークエンジニアの働き方は柔軟になってきた
- NEはどこで働くんだろう。
- 残業はどのくらい?
- 夜勤があると聞いたけれど・・・
結論としてはNEの働き方はかなり柔軟になってきています。
僕はNEとして10年ほど働いていますが、以下のように変化してきています。
- 勤務地は必要な時以外は自宅になった
- 残業は平均で10〜20時間になった
- 夜勤はあるが、その分の代休を取りやすくなった
もう少し詳しく解説していきます。
働く場所は自宅・データセンター・オフィス
結論から言うと、僕はほとんど自宅で仕事をしています。
必要に応じてお客さん先やデータセンター(NW機器やサーバーを置いてる施設)に出勤しています。
今までは自宅で勤務するという事はほとんどありませんでしたが、コロナ以降は一気にリモートワークが広がりました。
所属する企業によるとは思いますが、明らかに勤務地は柔軟に選べるようになってきています。
まれにオフィスに行くこともありますが、ほとんど無くなったというのが現状です。
残業の量はその時やってる案件により全然違う
その時の状況で残業量は大きく変動する。
残業についてはこれに尽きます。
担当してる案件や現場が忙しい時期に入ると自然と残業は増えます。
案件の忙しさんには大きな波がありますので、忙しくない時と忙しい時の差がとても大きいのです。
しかし残業についても最近では働き方改革のおかげで、本当に減ってきました。
リモートワークになったのも大きいのですが、今まで本当に「無駄に残業していた」という事がよくわかりました。
夜勤が無い現場や案件はほぼない
NEをやる以上は夜勤は覚悟しましょう。
とは言っても、定常的に夜勤があるわけではありません。
NEの作業は、世の中の人がネットワークを使わない時に行います。それが夜間というわけです。
作業自体もそんなに頻繁にあるわけではなく、普段は設計資料の作成などをしていますのでシフト制での夜勤をイメージしていた人は安心してください。
NEの労働環境について詳しく知りたい人は
ネットワークエンジニアの平均年収は500万円ほど
続いては気になる年収ですが、NEの平均年収は500万円ほどで、スキルや能力で大きく変動します。
日本全体の平均年収については国税庁殿の公開資料より下記となっています。
1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均額は436万円
出典:『民間給与実態統計調査』(国税庁・令和元年)
筆者JINの年収は650万円ほど
僕はNEになってから10年ほど経過しており、年収は650万円ほどです(2022年34歳です)。
たぶんですが40歳までに700万円は超えると思います。
資格取得を含めてスキルの定着にはそれなりに取り組んできました。
やはりスキルを評価してもらえると年収が上がっていく印象ですので、スキル習得は重要です。
スキルと能力に応じて年収が変動する。しっかりとスキルを身につけていけば高年収も狙える。
ネットワークエンジニアのやりがいはITインフラを支えてる実感
NEのやりがいは色々とあるのですが、「ITインフラを支えている」という実感が得られることです。
派手な面は少ないですが、社会インフラのひとつであるITインフラを支えているという実感は必ず得られます。
どんなに小さなネットワークであろうと、利用してくれる人がいると分かった時は嬉しいものです。
NEのやりがいは、ITインフラを支えている実感が得られること。責任のある仕事だが、得られる達成感や満足度も大きい。
ネットワークエンジニアには将来性がある
世間ではネットワークエンジニアやインフラエンジニアはオワコンだ。などと言われいています。
安心してください、NEはオワコンではありません。
むしろとても将来性のある仕事です。
クラウドに移行してもネットワークエンジニアのスキルは需要がある
NEに将来性が無いだの、オワコンだの言われる大きな理由の一つは「クラウド」が流行していることです。
ここで解説するクラウドは、NW機器やサーバーなどの物理的な機器をソフトウェアで実装できる技術のことです。
要するに、実際に機器を使わなくても全部ソフトウェアを使ってパソコンの画面上でネットワークを作れるのです。
これは非常に便利かつ費用が抑えられる技術で、最近ではクラウド環境へのお引っ越しをしたいというお客さんが山のようにいます。
全てのお客さんがクラウドに引っ越したいわけではないので、物理的なNW機器を使ったネットワーク構築の仕事は必ず残ります。また、クラウドへの引越しにはこれまでのNWスキルとクラウドのスキル両方が求められますのでNEの仕事はいくらでもあるのです。
よりしっかりとNEの仕事内容を知りたい方はチェックしてみてください!
ネットワークエンジニアは通信障害への対応が一番キツイ
NEの仕事で一番つらく、大変なことは「通信障害への対応」です。
通信障害とは、通信が正常にできなくなる状態のことです。
自分たちが作ったネットワークが正常にサービスを提供できなくなってしまうと、一気に仕事が増えます。
早急に通信を回復をさせないと、利用者の人が困ってしまうので緊張感が爆上がりします・・・。
トラブルに立ち向かう時のチームの一体感は気持ち良い
通信障害への対応は確かに大変で辛いのですが、一人で戦うわけではありません。
複数名のエンジニアで徒党を組んで立ち向かっていきますので、意外とその一体感は気持ちよかったりするのです。
通信障害への対応がNE最大の辛い部分。でも悪い面ばかりではないです。
まとめ
「NEになったら」を具体的にイメージして頂けるように以下の項目について解説してきました。
- 仕事内容と働き方
- 年収はどのくらい?
- 魅力と将来性
- 大変なこと
本記事の内容に限らず不明点や疑問点がある方は問い合わせより遠慮なくご連絡ください!
最後までお読みいただきありがとうございました!