- ネットワークエンジニア(NE)になると具体的にどんな「案件(仕事)」に携わるんだろう?
転職サイトや就活サイト、フリーランス向けの案件サイトでは案件名と期間・給与の情報はありますが、具体的に案件でどんな事をするのかという情報は少ないです。
これからネットワークエンジニア(NE)を目指そうと思っている方の中には、もっとリアルな体験を知りたいという方もいますよね。
今回は僕がNEとしてキャリアを積んできた中で携わった案件をピックアップして紹介していきます!
- カード関連会社向けネットワーク基盤維持保守案件
- 公共事業向けネットワーク基盤提供案件
- クラウド利用拠点間のネットワーク接続案件
- リアルな体験がわかります
- 具体的なイメージを掴むことで、安心してNEを目指していけます!
【案件1】カード関連会社向けネットワーク基盤維持保守案件
案件概要
ネットワーク基盤は提供して終わりではなく、そのあとの安定稼働をキープする仕事(維持保守と言います)があります。
この案件はネットワーク基盤の維持保守業務をするというものでした。
- 顧客はカード関連の事業を展開する株式会社さん
- 月額で維持保守料をもらう契約
- 主な業務は障害発生時の対応と顧客からの問い合わせや依頼対応
- 僕の立ち位置は下っ端の作業者
- 自社、下請け、孫請けと3社以上からそれぞれ人が入ってました。
実際に障害(ネットワーク基盤の不具合)に遭遇すると急に忙しくなってしまいます。
しかし、問題がない状態であればそれほど忙しくないのが維持保守案件。
重要なのは、ネットワーク基盤を提供する時に精度・品質の高いものを提供するということです。
実際にやったこと
それでは実際に行った業務を紹介します。
- システム監視チームからの電話受付(平日日中のみ)
- ネットワーク不具合時の原因調査(平日日中のみ)
- 顧客からの調査依頼対応(平日日中のみ)
ほとんどのITシステムにおいて、ネットワーク基盤を含めてシステム全体が正常に稼働していることを監視しています。
監視している中で、アラート(不具合)を検知すると僕らのところに電話やメールが来るのでアラート内容の確認や必要に応じて調査と対策を実施していきます。
この案件では、電話やメールの受付時間は平日日中のみという条件でした。
※案件によっては24時間365日受け付ける必要のある事もあります。
ネットワーク基盤に不具合があった際に、原因を調査する業務をしていました。
具体的には、操作端末から不具合を起こしたと想定される機器にログインしてログや設定状態などの確認を行います。
原因が明確になるまで調査を行い、必要に応じて機器の設定変更などを行います。
特にアラートを検知していない場合でも、顧客からの調査依頼がある場合があります。
例えば、システムの応答速度等のパフォーマンス改善のための調査などがあります。
このように依頼された内容に基づいてネットワーク基盤の情報を収集する業務も行っていました。
- 維持保守の案件では「設計」はせず、事件が発生した時に頑張ります。
- 並行して「設計」の案件もこなしつつ維持保守案件も担当していました。
【案件2】公共事業向けネットワーク基盤提供案件
こちらは「設計+構築」の案件でした。
この案件はオンサイトでしたので、TP線(LANケーブルのことです)を準備する必要があり、「いかにもNEやってる」感のある案件でした。
実際に物理的な機器をデータセンタや顧客先などに用意してネットワーク・インフラ基盤を提供すること。
顧客は公共系のお客さんでしたので、けっこうキチキチとしていました。
金融系や公共系のお客さんは比較的「厳しい」印象があります。厳しめのお客さんは、いい加減なことを言ってくる事はありませんので良い面も多くあります。一長一短です。
案件概要
インターネット上から公共関連の申請を行うシステムのネットワーク基盤を設計・構築するという案件でした。
オンサイトですので、物理的な機器を用意してセッティング+構築などを行うもので、なかなか面白かったです。
- 顧客はお役所関連の方々
- データセンターを利用したオンサイトでの提供
- 短納期で4ヶ月程度で納品
- スイッチだけではなく、ロードバランサーやファイアウォールの設計もあり
- 僕は小さいチームのリーダー的な立ち位置
- 3社以上が案件に参加
ですが、まだまだオンサイトで依頼されるお客さんもいます!特にネットワーク基盤を独占して自由にできるので、公共・金融関連のお客さんはオンサイトを好まれる傾向にありますね。
オンサイトの案件は実際に機器に触れる事ができる点が面白いですよ!クラウドを理解するにも実機を知ってると吸収が早いと思います!
クラウド案件とNEの関連性や将来の展望については下記の記事で詳しく記載しています。
興味のある方は覗いてみてください!
実際にやったこと
それでは実際に行った業務をピックアップして紹介します。
- 見積作成
- インターネット回線の費用
- 機器の購入あるいはレンタルの費用
- 設計にかかる作業費用
- SES企業からエンジニアを入れてもらう費用
- その他
- 機器の購入やTP線の購入などの手配業務
- 設計と構築
この案件では機器の費用から実際の作業工数を含めて見積業務を担当しました。これがなかなか大変で、見積もりをする要素は実は考えてるより多いんですね。
システムエンジニアリングサービスの略称で、ITエンジニアを派遣する業態のことです。IT業界では大きな案件では多くの場合SESからITエンジニアが派遣され、一緒に案件を進めます。
このあたりの要素を中心に、段階ごとに見積もりを分けたりと、かなり複雑でした。
NEに限らずITエンジニアは見積もり行為自体が「設計」という面があります。
機器の選定から見積もり取り寄せ、購入手配などをやりました。
顧客の求める能力に対して必要十分な機器を選定して値引き交渉をしたりなどもして、「調達業務」ですね。
最終的には購入して、機器が納品されたら検品をするところまでやりました。
オンサイトならではの業務でした。
ここが案件のメインです!顧客の要望を満たせるような設計をして、構築(機器に設定を入れる)を進めていきました。
設計したものをチームメンバでレビューしたり、レビューした結果修正をして設計を見直しながら進めていきます。
オンサイトという事もあり高額な機器に触れられましたので、ネットワークエンジニアの面白い部分を感じられました。
【案件3】クラウド利用拠点間のネットワーク接続案件
これからはクラウド関連の案件がどんどん増えてくるでしょう。
僕も漏れなくクラウド案件に関わる機会が増えてきています。
この案件はクラウドを利用した良くあるタイプの案件でした。
お客さんの拠点(オンサイト)とクラウドをセキュリティが担保されたネットワークで繋ぐというものです。
案件概要
前述していますが、この案件はクラウド(今回はMicrosoftのAzure)と既存で利用してるお客さんの拠点(オンサイト)をネットワークで繋ぐという案件です。
ただ単にネットワークで繋ぐのではなく、「安全に」というところがポイント。
バーチャルプライベートネットワーク(VPN)という技術を使って接続していきました。
バーチャルプライベートネットワークの略称で、簡単に言うと安全に拠点間をネットワークでつなぐ技術のこと。
既存の顧客拠点とクラウド(AzureやAWS)をVPNで接続するという依頼は需要が高まっています。
- 顧客は交通機関系の会社さん
- クラウドはMicrosoftのAzureを利用
- 納期は2ヶ月程度と短納期
- クラウド+オンサイトのどちらも設計構築の対象
このタイプの案件は、クラウドの技術とオンサイトの技術のどちらも必要なハイブリッド型です。ネットワークエンジニアが今後必要とされる最も分かりやすい例と言えます。
クラウド関連のスキルは、未経験からネットワークエンジニアを目指す上でもとても重宝されます。
気になる方は転職活動と並行して資格取得を目指してみてください!
実際にやったこと
この案件は小規模な案件だったのでそこまでやった事は多くなかったです。
- 見積作成
- 設計と構築
- 顧客オンサイトへ出張
こちらの案件ではクラウド部分の見積もりが入ってきました。
今回利用したのはAzureですので、Azureの料金体系に基づいて価格を算出していきました。
これが初トライでしたので、四苦八苦しました。
顧客の求めるパフォーマンスにぴったりのものを探すところからですので、けっこう時間がかかりました。
ですが、クラウドは後から構成をいくらでも変更できますので気が楽です!
オンサイトでは買った機器をすぐに変更、なんて絶対に無理ですが、クラウドでは機器の性能や種類を変更するハードルがとても低いです。
やはり時代はクラウドなのかなと感じました。
設計と構築についても、クラウドという要素が入ってきますのでオンサイトだけで考えるよりも少し複雑な面がありました。
主にセキュリティ関連ですね。
クラウド独自のサービスで提供される部分を理解した上で設計していきますので、初見の人にはけっこう厳しいと思います。
ですが、理解してしまえばクラウドはとても使いやすいですし柔軟性が非常に高いです。
AWSでもAzureでも基本の考え方は似てますので、これからネットワークエンジニアを目指すのであればクラウドへの理解は必須だと思います。
はい、お楽しみの出張ですね(笑)。
オンサイトとクラウドを接続するには、オンサイト側にもクラウドと接続するための機器を導入する必要があります。
機器を設置して接続テストを行うために、顧客拠点への出張があるんですね!
時代は在宅勤務の流れですし、特にITエンジニアなんて在宅勤務ができるから最高という側面もあります。
ですが、たまには出張も良いものですね。
- クラウド案件が主流になってくる気配は現場で常に感じます。
- クラウドを理解するにもオンサイトでの経験は確実に活きる。
今回は僕が実際に携わった案件を紹介させて頂きました。
いかがでしょうか、多少でもネットワークエンジニア(NE)の仕事について理解してもえらたら幸いです。
本記事の内容に限らず、何か不明点や疑問点がある方は是非お問い合わせください!
今回の内容は以上となります。
最後までお読み頂きありがとうございました!